- コラム
BCP(事業継続計画)構築と検証の必要性 -6
ペリージョンソン ホールディング 株式会社
取締役 営業統括本部長 新谷雅年(あらや まさとし)
2021年4月
人命保護最優先の活動計画の実効性
これらのBCPの中で「初期対応計画」として命を守るためのマニュアル作りなども求められており、この初期対応計画の目的を「人命保護最優先の活動計画」として位置付け、発生した自然災害や事故などに対し、被害を最小にとどめるための防災対策として
・発災直後の安全確保 ・応急救護 ・救助活動 ・安否確認 ・被害拡大防止など
を計画することが重要であるとも言っています。しかし、過去さまざまな企業様のBCPに関する指導を行ってきましたが、残念なことに形骸化してしまい、書類だけ整えているケースが多いのも実態です。
もしも自分自身の命や従業員の命を守れなかったら、また、多くの人々がけがをして仕事ができなくなったら、ということを考えてみてください。どんなに素晴らしいBCPを構築して日々訓練を重ねたとしても、人がいなければ何1つ動きません。
そういった意味では、まず最初にやらなければならないことは「自分自身を守り、大切な人々を守る」という極めて当たり前のところから。つまりは従前からの防災対策をしっかりと行い、そのうえでBCPに進むことが必要であると思います。
形だけのマニュアルを作ったとしても、それは実効性も有効性も伴わないものになり、命も会社も守れないものになってしまう怖さを認識しておいてください。