FDAの食品安全強化法
2011年に米国で食品安全強化法(FSMA)が成立し、食品安全制度の強化によってFDAが公衆衛生の保護にさらに力を発揮できるようになりました。これにより、FDAは事後対応ではなく食品安全問題の予防に重点をおけるようになり、また米国内の輸入食品を国産品と同様に安全に維持する、統一された食品安全制度を構築することとなりました。
予防を基本とした新たな食品安全制度の構築には時間がかかっていましたが、完成して2015年10月に発行され、日本企業も適用対象となっています。
米国での食品による健康危害の状況
米国疾病予防管理センターによると、米国では毎年約4,800万人(米国人の6人に1人)が食中毒症を発症。128,000人が入院し、3,000人が死亡しています。この大部分が予防できるもので、公衆衛生上の問題です。(米国疾病管理予防センター 2010年12月15日発表)
食品安全においては、事後の対応ではなく「予防」がカギとなります。FSMAは、予防に焦点を置き、輸入食品の安全性の向上、食品安全上の問題の検知と対応、食品安全上のハザードの予防を基本として規則が制定されています。より厳格な基準によって食品が安全になるということは、消費者が購入する食品に対してより信頼を感じることができるようになるということです。
FSMAの最終規則
FSMA成立の背景には、輸入食品の汚染に関連して注目されていた複数の事例に対処することがありました。
米国国内の食品サプライチェーンを保護するため、FSMAによって適切な予防コントロール制度が確立され、インシデント対応よりもより積極的に食品安全を実現することを目指しています。
FSMAは、次の7つの最終規則で構成されています。
- ヒト向け食品に対する予防コントロール
- 動物向け食品に対する予防コントロール
- 意図的な食品不良事故からの食品防御のための緩和戦略
- ヒト向けおよび動物向け食品の衛生的輸送
- 安全規則の作成
- 外国供給業者検証プログラム(FSVP)規則
- 認定第三者認証規則
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