FSSC22000(食品安全システム)の認証取得審査
GFSIが承認する食品安全のためのスキーム
FSSC22000は、2010年2月に、GFSI(Global Food Safety Initiative)*より承認された国際的な食品安全スキームで、ISO22000とISO/TS22002-1**またはISO/TS22002-4***がベースとなっています。
FSSC22000 食品安全システム
ISO22000では、実施すべき前提条件プログラムの具体策は認証を受ける組織側が決定しますが、FSSC22000では、ISO/TS22002-1または、ISO/TS22002-4によって、ISO22000が要求する前提条件プログラムを補う形で、より具体的に規定されています。さらに、サービス仕様に関する要求事項や、食品安全方針の適用における要員の監督に関する要求事項等を追加したものが、FSSC22000です。
ペリージョンソン レジストラー(PJR)は、英国認証機関認定審議会(UKAS)からの認定を取得しております。
*GFSIは、世界の消費財業界メーカー・小売企業、650社以上によって組織されるTCGF(The Consumer Goods Forum)によって運営される非営利団体です。消費者に安全な食品を届けるために、検査機関・行政などとも協力して活動しています。
**ISO/TS22002-1「食品安全のための前提条件プログラム-第1部:食品製造」
***ISO/TS22002-4「食品安全のための前提条件 プログラム-第4部:食品容器包装の製造」
FSSC22000(食品安全システム)事前調査について
FSSC22000の認証準備に万全を期するためには、前提条件プログラム(PRP)に対する「事前調査」をお勧めいたします。前提条件プログラムには、一般衛生管理事項のレベルや物理的な条件が定められています。この事前調査を実施することにより、前提条件プログラムの要求内容と貴社の現状とのギャップを把握し、必要な取組みやコストを明確にしたうえで、初回審査に臨むことができます。
事前調査の内容
詳細なチェックリストを用いて、下記の事項がカバーされているか調査いたします。
建物の構造と配置 | 有害生物の防除 |
施設及び作業区域 | 要員の衛生 |
ユーティリティー | 手直し |
廃棄物処理 | 製品のリコール |
設備の適切性・清浄化及び保守 | 倉庫 |
購入材料の管理 | 製品情報及び消費者の認識 |
交差汚染の予防手段 | フードディフェンス |
清掃・洗浄及び殺菌・消毒 |
*上記は、ISO/TS22002-1の要求事項です。
事前調査のメリット
ISO/TS22002-1またはISO/TS22002-4が要求する一般衛生管理事項をどの程度達成できているか、客観的に知ることができます。
システムやソフト面で対応できる要素、設備改善が必要な要素を見極めることができます。
事前調査のみをお受けいただくことも可能です。弊社営業部(03-5774-9510)まで、お気軽にお問い合わせください。
FSSC22000(食品安全システム)の認証・取得のメリット
<対外的メリット>
- 国際標準に基づく前提条件プログラムを確立し、運用することにより、顧客による二者監査の円滑化を図ることができます。
- GFSI承認スキームをベースとした包括的なサプライヤー管理を行う食品メーカー・流通チェーンなど、新規市場への参入機会を拡大することができます。
- 消費者や取引先に安全・安心な製品・サービスの提供をPRでき、取引の優位性が向上します。
- 原材料調達からエンドユーザーまで、サプライチェーン全体の管理が可能になります。
<対内的メリット>
- 食品安全ハザードの明確化により、工程トラブルへの予防処置および製品回収リスクの低減を図ることができます。
- フードディフェンス(食品防御)への対応強化を図ることができます。
- 効果的・効率的な一般衛生管理の仕組みを構築・運用することにより、業務改善に寄与します。
- 製造工程の可視化により、ムダが排除され、作業効率の改善、歩留り改善を図ることができます。
FSSC22000(食品安全システム)による課題解決事例
お悩み①
FSSC22000を認証取得するためには、多額の投資を伴う設備改修が不可欠だと聞きましたが本当ですか。
解決
FSSC22000(ISO/TS22002-1*)では、必要な設備改修を行えない、または行わない場合には、ハザード分析および文書化を行ったうえで『代替方法』を採用することが認められています。そのため、FSSC22000の認証取得に設備改修が不可欠とは限りません。
例えば、1)「敷地へのアクセスは管理されなければならない」という要求事項に対し、正門に守衛所がないため敷地へのアクセス管理はできないものの、工場建屋(施設)へのアクセス管理(入館受付)を行うことを代替方法として採用した事例や、2)「材料の搬送のための開放は、異物と有害生物の侵入を最小限にするように設計されなければならない」という要求事項に対し、高速シートシャッターを設置せず、搬入/搬出の都度、既存のオーバースライダーを手動で速やかに開閉する手順を代替方法として採用した事例などがあります。
このように『代替方法』を採用した事例は多く、設備改修に頼らずFSSC22000を認証取得することは難しくありません。
*FSSC22000はISO/TS22002-1を前提条件プログラムとして採用しています。
FSSC22000(食品安全システム)の認定範囲
フードチェーンカテゴリ | |
---|---|
C0 | 畜産・水産-第一次処理 |
CⅠ | 傷みやすい動物性製品の加工 |
CⅡ | 傷みやすい植物性由来の製品の加工 |
CⅢ | 傷みやすい動物性及び植物性製品の加工(混合製品) |
CⅣ | 常温保存製品の加工 |
D | 飼料及び動物用食品の加工 |
I | 包装資材の製造 |
K | 化学及びバイオ化学薬品 ※食品、飼料添加物ビタミン、ミネラル、培養物、香味料、酵素、加工助剤のみ |
FSSC 22000財団は、FSMA103条の最終規則が発表されたあと、「Comparison of FSSC 22000 against the Preventive Controls for Human Food (Final Rule)」を発表しました。
英語原文はFSSC 22000財団のサイトでご確認ください。
http://www.fssc22000.com/(FSSC財団ウェブサイト)
PJRではFSSC財団の許可を得て、この報告書の日本語訳(仮訳)「FSSC 22000とPCHF【ヒト向け食品に対する予防的コントロール】(最終規則)との比較」を作成しました。
FSSC 22000とPCHF【ヒト向け食品に対する予防的コントロール】(最終規則)との比較」日本語訳(仮訳)
FSSCアデンダムプログラムとは
FSSC 22000のスキームオーナーであるFSSC財団は認証組織やその取引先からの要望に応えるための新たな取り組みとして複数の「アデンダム」(Addendum:補遺)を開発しました。
関連リンク
FSMA PCHF Addendum
FSSC HAVI GQSR Addendum
FSSC Costco Requirements Module