- コラム
BCP(事業継続計画)構築と検証の必要性 – 2
ペリージョンソン ホールディング 株式会社
取締役 営業統括本部長 新谷雅年(あらや まさとし)
2021年4月
BCP構築および運用における基準と認証制度
BCP構築および運用に利用できる基準をいくつか紹介しておきます。
国際的にも通用する基準としてISO22301:2019(セキュリティ及びレジリエンス -事業継続マネジメントシステム-要求事項)が挙げられます。基本構造はISO9001や他の国際標準マネジメントシステム規格と同じようにAnnex SLベースでできており、何らかのマネジメントシステムをすでに認証取得し運用しているみなさまには、比較的なじみがあるかもしれません。こちらの規格を認証している組織は日本国内で90組織(ISMS-AC Webサイトより2020年11月27日現在)と、IS9001等の認証組織が数万件あることを鑑みると、ほとんどお目にかかれない程の数でしかありません。
また、日本が独自に行っている「レジリエンス認証」も2016年にスタートしましたが、224組織(一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会Webサイトより2020年11月30日現在)にとどまっていま す。こちらのレジリエンス認証の基準は、内閣府防災担当『事業継続ガイドライン -あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応-』(平成25年8月改定)を参照することを推奨しており、わが国のBCP(ガイドラインではBCMとして紹介)構築および運用のディファクトスタンダードとして機能しています。
その他に中小企業庁『中小企業BCP策定運用指針~緊急事態を生き抜くために~』「入門コース」「基本コース」「中級コース」「上級コース」などが一般に公開されていますので、参考にされるとよいでしょう。
- BCPの必要性の増大
- BCP構築および運用における基準と認証制度
- 進まない対応
- 事業中断リスク
- 事業影響度分析
- 人命保護最優先の活動計画の実効性
- 対応度の検証活動