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米国食品安全強化法(FSMA)における第三者監査制度

第三者監査制度の導入

米国食品安全強化法(FSMA)では、米国に輸入される食品の入国迅速化を目的とした「任意適格輸入業者プログラム(VQIP:FSMA302条)」において、要件を満たした食品(食品施設)であることの証明書を発行することができる規制監査と、その準備段階で、輸入者による食品製造業者の管理を目的とした「外国供給業者検証プログラム(FSVP:FSMA301条)」における効率的な検証活動にも利用可能な諮問監査を提供できる第三者機関の認定を307条「第三者監査制度の導入」で定めています。

この第三者機関は、FDA(米国食品医薬品局)が承認する認定機関によって認定され、外国政府や外国の協同組合などの第三者が想定されています。認定にはFDAが定めた食品安全適用要件や利益相反を防ぐための独立性担保など、さまざまな要件を満たす必要があります。

2018年8月、米国ペリージョンソン レジストラー フードセーフティ インク(PJRFSI)が、FDAが承認した認定機関(ANSI:米国規格協会)によって、FSMA307条に則り、世界で初めて第三者機関として認定されました。弊社は、米国PJRFSIとの提携に基づき、認定第三者機関としてFSMAに関する規制監査と諮問監査の両方を提供しています。

認定第三者機関の役割や監査の利用用途

規制監査

米国に輸入される食品の迅速な入国審査を希望する場合、VQIPへの参加が有効です。VQIPは任意の有償プログラムですが、特に、鮮度が重要な生鮮食品や設備使用料などが関わる冷蔵保存が必要な食品にとっては、大きな影響が考えられます。

VQIPに参加するためには、FSMA307条で認定された第三者機関による規制監査の結果、証明書を発行された食品施設で製造された食品の輸入でなければなりません。食品施設が規制監査を受けることは、食品施設自身がVQIPに参加する場合はもちろん、VQIPに参加している輸入業者との取引機会増加への期待にもつながります。

弊社では、米国PJRFSIとの提携に基づき、認定第三者機関としてペリージョンソン レジストラー(PJR)にてこの規制監査サービスを提供しています。

諮問監査

諮問監査は、規制監査の準備段階と位置づけられる任意の監査プログラムですが、FSVPにおける検証活動としても有効です。

FSVPではFSVP輸入業者(301条に基づく輸入管理者)に輸入食品の安全検証を義務づけていますが、米国の輸入業者にとって、日本をはじめとした外国の食品施設がヒト向け食品に対する予防コントロール(PCHF:FSMA103条)に則った食品安全管理を正しく順守できているかについて定期的に管理(現場監査、記録文書の確認、サンプル検査等)することは、困難が伴う場合が多く見受けられます。

FSVPでは認定第三者機関の利用を義務付けているわけではありせんが、認定第三者機関が輸入業者から依頼を受け、その代行として食品施設を監査し、公正妥当な監査報告書を提出することは、FSVP輸入業者が『現地監査の記録文書の入手』という検証活動を実施したことになります。

また、この監査は輸入業者からの依頼だけでなく、食品施設からの依頼でも実施できます。食品施設が1つの商品を複数の輸入業者を経て輸出する場合、その商品はそれぞれの輸入業者から管理される(監査を受ける、記録文書の提出を求められるなど)必要がありますが、食品施設が第三者機関の監査を受けて作成された同一の監査報告書を各輸入業者に提出することは、各輸入業者が『現地監査の記録文書の入手』という検証活動を実施したことになります(※事前に輸入業者の承認が必要)。食品施設からの依頼による監査の場合には、食品施設の製造に関わる機密情報に触れない形で、かつ、FSVPの要件を満たす有効な監査報告書を作成することも可能となります。

弊社では、米国PJRFSIとの提携に基づき、認定第三者機関としてペリージョンソン コンサルティング(PJC)にて、食品施設向けのFSVP諮問監査サービスと輸入業者向けのFSVP検証監査代行サービスを提供しています。

食品安全規格との統合審査

諮問監査は、ISO22000やFSSC22000等の食品安全規格と統合審査として受審することができます。食品安全規格だけでなく、PCHF:FSMA103条との適合状況についても併せて確認しておくことで、効率的かつ定期的な確認となります。

今後への期待

第三者監査制度(FSMA307条)が整備され、いよいよVQIPの運用が2019年から始まります。規制監査も諮問監査も任意のものですが、FSMA対応のみならず、効率的な食品安全活動としても活用が期待できます。

食品製造施設が規制監査を受けるメリット

  1. 米国への輸入食品の入国迅速化を実現するVQIPの参加資格が得られる
  2. 認証施設になることにより、多くの輸入業者との取引機会増加が期待される

食品製造施設が諮問監査を受けるメリット

  1. FSVP検証活動として輸入業者に提出するのに有効で、かつVQIP参加のための準備状況も確認できる監査報告書が得られる
  2. 複数の輸入業者を通した同一製品の輸出において、同じ監査報告書の提出でFSVP対応が可能になる(※事前に輸入業者の承認が必要)
  3. 製造に関わる機密情報を伏せた監査報告書の提出が可能になる
  4. 食品安全規格認証との統合審査で、効率的な適合性の確認が可能になる

輸入業者が認定第三者機関の監査代行サービスを利用するメリット

  1. 効率的なFSVPにおける検証活動を実施できる
  2. FSVP検証活動をFDAが承認した認定機関の認定審査を受けている第三者に委託できる

2019年4月掲載

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