遠隔審査対談Q&A抜粋

2021年7月7日に開催された「PJRお客様感謝セミナー2021」において、参加者のみなさまからいただいた遠隔審査に関するご質問とその回答を抜粋してご紹介します。

PJRお客様はお客様専用ページよりログインいただくとすべてのQ&Aをご覧になれます。ロナウイルス感染症)拡大防止のためにも、遠隔審査は有効な手段になります。

11月8日に遠隔審査についてのオンラインイベント「遠隔(リモート)審査の活用」実施を予定しております。ぜひご参加ください

リモート(遠隔)対応
回答者品質・労働安全衛生プログラムマネージャー 奥田 肇
ISO9001主任審査員 角谷 清宣
監 修取締役 営業統括本部長 新谷 雅年
Q1 遠隔で内部監査を行うときのインフラ準備としてどのようなことに気を付けるとよいのでしょうか?

リモートについては上層部がしり込みしています。遠隔で内部監査を行うときのインフラ準備としてどのようなことに気を付けるとよいのでしょうか?
特に五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)に関して、直接、研磨状況を手で触れることができないなど、仕上がり状態の確認で苦労しているので何かよい工夫があれば教えてください。

遠隔での監査となると、温度感も伝わりづらく、上層部も緊張されることが考えられるため、監査される方はにこやかに緊張をほぐす形で実施するとよいです。また、まずは軽い話題から入り、アイスブレーク等の技法をとるのもよいのではないでしょうか。

遠隔では、どうしても実地の監査より五感が損なわれる傾向がありますが、工夫することによって補える手法があります。

1つ目は、「風(空気の流れ)を見る」です。例えば、建設工事の現場では吹き流しを立てていることも多く、吹き流しの角度によって風速が秒速何メートルかを確認できます。また、基準の文書が安全掲示板に貼ってあるようなこともあります。弊社の遠隔審査でも、現在の吹き流しの状態を映してほしいとお願いすることもあります。それにより、直接、風を見ることはできなくても、吹き流しによってどのぐらいの風が吹いているのかを知ることができます。また、製造現場での空気の流れも大事になってきます。風量系・風速計等があれば分かりやすいですが、簡易的なものとして短冊やはたき、なければA4用紙1枚を吸気口や換気口に近づけて動きを見ることで、空気の流れを見ることもできます。

2つ目は、「振動を見る」です。例えば、バケツに張った水を見ることで振動がある程度分かりますし、机の上のコップの水や飲みかけのペットボトル飲料を見ることでも振動の有無が分かるかと思います。

また研磨状況は、例えば限度見本があって製品を製造されたのであれば、均一な表面の板の上に限度見本と製造品を並べて傾けてみます。どのぐらい傾けるとどちらが先に滑り始めるか、摩擦抵抗を使うことによって滑らかさをある程度見ることができます。

以上のように、見えないものを見えるように工夫することで五感を補うことが可能となります。

さらに、現場で作業されている方や検査をされている方へのインタビューとして「今日の出来栄えはどうですか?」など聞いてみるのもよいのではないでしょうか。不適合品と適合品(合格品)とを比べてみて、コミュニケーションをとりながら、いろいろな角度から見せてもらうなどして確認するのもよいでしょう。

Q4 動画を用いた審査のあり方について、どうお考えでしょうか?

遠隔審査に伴い、動画の撮影を求める他の審査会社がありますが、当社は現場内部には守秘義務に関わる設備もあり動画撮影をお断りしています。現状はISO9001だけがリモート対応していますが、他の規格要求としては現場主体の確認事項が多いので、さまざまな面で苦労しています。動画を用いた審査のあり方について、どうお考えでしょうか?

PJRにおいても、事前に動画を撮影していただきデータを送っていただく場合もあります。それには、審査の効率性を向上させたり、あらかじめ撮影しておくことで必要な箇所をアップにして大きく映したもの等、落ち着いてよい映像を入手することが可能であるなど、いくつかのメリットがあります。ライブでデータを送る、事前に動画を撮影していただく、いずれにしても情報セキュリティリスクは存在します。特に、被審査者と顧客の間で撮影等の禁止や機密情報の扱いに関し規定があるようなケースでは、審査に影響がなければ動画の撮影はしないように調整しています。ただし、それでは審査が成立しないようなケースは、従前どおりの実地審査をお勧めしています。

Q5 再認証審査でもリモート対応が可能でしょうか?

サーベイランス審査の場合は事業所内の一部を監査するのでリモートでも対応可能かと考えます。一方、再認証審査の場合、複数の建屋に審査場所(設計開発、製造、総務が別の建屋です)が存在するので、各部門との調整やリモート審査は難しいのではないかと考えます。再認証審査でもリモート対応が可能でしょうか?

再認証審査をリモートで行っている場合もあります。対応可能かは審査を受けられる企業様のサイトや物理的な配置、使用設備等により異なりますので、個別にご相談ください。また、サーベイランス審査は遠隔で行い、再認証審査は半分を遠隔・半分を実地で等、状況によりさまざまな対応が可能です(規格により異なります)。

Q13 トップインタビューを遠隔審査とし、現場審査は実地で行うなど、組み合わせて実施する場合の事例はありませんか?

例えばトップインタビューを遠隔審査とし、現場審査は実地で行うなど、組み合わせて実施する場合の事例がありますでしょうか?また、どのような工夫をされて実施したかお伺いできますでしょうか?

営業所が多い、地方に工場・営業所があるなどの多数サイトの場合、本社にお伺いしてトップインタビューを行い、審査に対するご要望等を伺ったうえで地方の工場や営業所で遠隔審査を行うこともあります。そのため、審査計画を綿密に策定し、遠隔と実地をうまく組み合わせてハイブリッド方式で行うことで、効果的な監査につなげていけると考えます。遠隔審査では、実地のようなタイムリーな質問回答のやり取りが難しく、どうしても実地より時間を要する傾向があります。それゆえ、監査のテーマをあらかじめ絞り、時間がかかることを想定した効率的なやり取りが必要となります。

また、遠隔審査の際、トップインタビューを職場の方々や部門の方々がお聞きになることが多いです。その際に、トップの方がどういうところに課題があるのかをお話になります。審査や監査は課題解決に結びつく仕組みが動いているかが主題になりますので、そのあたりにフォーカスを当てて進めていくのがよいのではないでしょうか。

リモート(遠隔)対応 −インフラ関連−
回答者品質・労働安全衛生プログラムマネージャー 奥田 肇
ISO9001主任審査員 角谷 清宣
監 修取締役 営業統括本部長 新谷 雅年
Q1 生産現場の現地審査では、遠隔で声のやり取りができないことが出てくると思いますが、どのように対応するのでしょうか?

生産現場の現地審査では、工場内の音が邪魔をして遠隔での声のやり取りができないことが出てくると思いますが、そのような場合はどのように対応するのでしょうか?

工場内を映していただく際は、スマホやタブレット等のモバイル機器を使用することが多いです。その際、ヘッドセットを使用することでお互いの声が聞こえやすくなり、コミュニケーションがとりやすくなります。ただ、審査員は現場全体の音を聞きたいこともあるので、その際はヘッドセット等も外していただき、周りの音を聞かせていただくこともあります。また、ヘッドセット使用時は周りの音が聞こえづらくなるため、安全優先で注意しながら使用していただくようお願いしております。

外部マイク使用の場合は、全指向性、単一指向性、超単一指向性等マイクの指向性も検討いただくと、なおよいでしょう。

Q2 現場、工場でもリモート監査、審査は円滑にできるものなのでしょうか?

過去、リモート監査を受けたことがありますが、工場内では有線LANや無線LANの使用は難しく、携帯電話を使用しました。工場内は携帯電話の電波が遮断される箇所が多く、難しい部分があると感じました。現場、工場でもリモート監査、審査は円滑にできるものなのでしょうか?

どうしても電波が切れてしまうこともありますので、工場の平面図を用意してあらかじめ経路を決めておきます。経路に従って審査を行い、切れてしまった際はどこからどこまでが切れてしまったのかを伺い、必要箇所の写真を別途送っていただくなどの工夫で対応いたします。

また、動画を撮って送っていただくこともあり、状況に応じた代替案で、電波が途切れやすい部分の情報を送っていただくという形で対応しております。工場内全体でWi-Fi環境を整えるためには、中継器の設置も有効かもしれませんので、検討してみてください。