IATF16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)の認証取得審査

IATF16949

2016年10月、自動車産業品質マネジメントシステム規格であるISO/TS16949:2009の全面改訂が行われました。新規格IATF16949:2016は、発行から数カ月で、すでに多くの問い合わせを受けています。

IATF16949は単独で運用するのではなく、ISO9001と併せて実施されなければなりません。IATF16949はISO9001:2015の本文を含んでいませんが、国際自動車特別委員会(IATF)は、IATF16949をISOの品質マネジメントシステム規格の最新版であるISO9001:2015に整合させています。IATF16949はISO9001:2015に追加された自動車固有の要求事項だけを含んでいるということです。

IATF16949の焦点は、ISO9001:2015同様、リスクの軽減です。このリスクに基づく考え方の重視は、経営トップが緊急時対策の見直しおよび贈賄防止ならびに倫理的上申方針の実施に対して責任を持つことを含め、組織に全面的に関わることを求めています。自動車産業は絶え間なく進化しており、IATF16949も、変更に対して品質マネジメントシステムを確実に整合させる要求事項を含んでいます。

IATFは、IATF16949への移行が2018年9月14日までに完了できるか懸念しています。今回の変更が、広範にわたる計画と検討が必要な、劇的な変化であると考えられているためです。規格の10カ条構造を、組織の自社文書でそのまま倣うようには求めていませんが、規格の要求事項に対応できる明確なモデルを構築することは必要です。IATFは、ISO9001旧版で規格に合わせて品質マネジメントシステム文書を構築した組織に対しては、内部で理解することが困難な規格より、むしろ独自のバリューストリーム(価値の流れ)に合わせて再編することを、強く勧めています。

IATF16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)の対象組織

IATF16949は、自動車メーカーに納入されることになる生産部品やサービス部品を製造する組織に適用される品質マネジメントシステム規格です。

○自動車産業サプライチェーンのどこかに位置していることが前提です。

自動車製造者(OEM:Original Equipment Manufacture)に材料、生産部品やサービス部品を提供する組織(Tier 1)、その組織(Tier 1)に材料、生産部品やサービス部品を提供する組織(Tier 2)、さらにTier 3、4、・・・ と、サプライチェーンのどこに位置している組織でも認証の対象になります。「自動車」には、乗用車・小型商用車・バス・トラック・自動二輪車を含み、公道を走るものだけが対象です。例えば、公道外専用の農耕用作業車や鉱山用トラックなどは含まれません。また、公道を走る車両であっても、特殊車両の特殊装備、例えば消防車の消火用装備などは、IATF OEMによって装着される場合を除き、含まれません。
車両製造に不可欠な顧客規定生産部品、OEMの仕様どおり製造され、OEMによって調達またはリリースされる交換部品(サービス部品)や追加部品(アクセサリー部品)の製造を行っている組織は対象になりますが、OEMが調達またはリリースしない交換部品(アフターマーケット部品)のみ製造している組織は対象になりません。なお、次のものは車両製造に不可欠な部品とは異なりますが、顧客規定生産部品であれば認証の対象になります。消火器、カージャッキ、フロアマット、オーナーズマニュアル、三角警告板。
「製造」を行う事業所を持たない組織、例えば、設計のみを行う組織や販売のみを行う組織などは認証の対象外です。IATF16949対象の「製造」には、材料や部品(生産部品、サービス部品またはアクセサリー部品)の製作、組立て、熱処理、塗装、メッキ、その他の仕上げ処理を含みます。一方で認証対象の「製造」を支援する部署や事業所、例えば、営業所、技術センターや倉庫などがある場合には、製造を行う事業所内にあっても遠隔地にあっても、認証範囲に含めなければなりません。

※IATF16949の認証対象製品と対象外製品の両方を製造している組織は、IATF16949とISO9001の統合審査で効率的な両規格の認証取得が可能です。

※IATF16949の審査を受けることを検討する場合には、IATF16949の規格書と顧客固有の要求事項に加えて、『自動車産業認証スキーム IATF16949 IATF承認取得及び維持のためのルール 第5版』)の内容をあらかじめご確認ください。

PJRのIATF16949(自動車産業向け品質マネジメントシステム)

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