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第5回:FSSC 22000 ~「ハザード分析を可能にするための準備段階」3つのポイント~

HACCPを構築する際、ハザード分析が重要であることはこれまでの連載で何度も触れてきました。今回はこのハザード分析の前段階として必要な要求事項である、「7.3 ハザード分析を可能にするための準備段階」について考えてみたいと思います。

この要求事項では、「原料・材料及び製品に接触する材料」「最終製品の特性」「意図した用途」「フローダイアグラム」について、文書によって明確化することが求められています。
今回はこの要求事項について、3つのポイントを挙げて解説してみます。

(1)食品安全に関するこれまでの経験やノウハウをうまく活用する。

HACCPの構築をお考えになっているほとんどの工場では、すでに食品安全に関するさまざまな取組みが行われていることと思います。そのなかには原料に関する情報や加熱処理・消毒などの加工・製造データ、製造工程に関するフロー図などが含まれるでしょう。こうしたすでに取り組みにあるルールや基準は、「科学的裏付けや法的根拠」があるかを明らかにできるよう文書に落とし込んでいくことで、ハザード分析を可能にするための準備を円滑かつ有効に進めることができます。

(2) 食品安全チームを有効に機能させる。

前回のコラムでは、「さまざまな部門の従業員により食品安全チームのメンバーを構成することで、高い水準のシステム構築が可能になる」とお話ししました。ハザード分析を可能にするための準備段階においても、この食品安全チームをうまく機能させることが重要なポイントになります。つまり、各部門が保有している情報を網羅的に収集することにより、過不足ない文書作成が可能になるわけです。ハザード分析の際には多面的な情報が必要となりますので、部門の垣根を越えたメンバーで構成された食品安全チームの役割もおのずと大きなものになります。

(3) 常に最新の情報を反映させる。

たとえば新製品の製造を開始する場合、原料や工程が変わってきますので、文書の更新が必要になります。もちろん、原料の仕入れ先が変更になった、という場合も同様です。ハザード分析のための準備は、いったん構築すれば終わり、というものではありません。工場の状況は絶えず変化していますので、安全な製品を提供する仕組みを維持しつづけるためにも、最新の情報を反映させる努力を怠らないでください。

繰り返しになりますが、「ハザード分析のための準備段階」は、ハザード分析を正しく行うために非常に重要なプロセスとなります。地道な作業になりますが、ここで収集した情報がハザード分析に大きな影響を与えることになりますので、食品安全の体制を維持するために欠かすことのできない、大切な基礎とお考えいただければと思います。

次回は、「ハザード分析」について解説していきたいと思います。


PJR 審査員 伊藤 毅(いとう たけし):静岡県出身、農学修士。

前職は食品メーカーに勤務し、食品製造、品質保証、技術開発部門を担当する。ISO 22000の認証取得に携わり、その後は食品安全チームリーダーとして、食品安全マネジメントシステムの実務も経験。PJRでは食品規格の審査、および審査プログラムを担当する。 ワインをこよなく愛し、ワインエキスパートの試験に向けてコルクを抜く日々。

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