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第1回:FSSC 22000規格が要求している本来の目的とは

ISOなどの国際規格の認証機関 ペリージョンソン レジストラー(PJR)の食品規格の審査、および審査プログラムを担当している伊藤 毅と申します。今回のシリーズ連載では認証機関に勤務する立場から、食品安全システムの導入・運用に関するポイントや、日々の業務のなかで感じていることなどをお伝えしていきたいと思います。

さて、現在はISO 22000を取得している食品関連会社だけでなく、FSSC 22000を取得している食品工場も増えてきました。その背景には、次のような取得メリットが挙げられます。

  • 他社との差別化による競争力の向上
  • 監査における負担の軽減
  • 食品安全への取り組み姿勢の周知による社会的な企業価値の向上
  • 継続的な業務効率の改善  など

ここで忘れてはならないのは、FSSC 22000をはじめとする食品安全規格のそもそもの目的は、フードチェーンを通じて最終消費者に安全な食品を提供するということです。フードチェーンの一端を担う立場である個々の食品関連会社がFSSC 22000に取り組み、この規格要求に沿って食品を扱うことにより、この目的をより高い水準で達成することができます。

私たちPJRが審査で着目するのも、それぞれの工場で決められた基準や作業が安全な食品や包装材料を作るために意味を持っており、その想定通りの効果を持続しているかどうかです。PJRは、単純に設備の有無だけを確認するだけの審査は行っておりません。例えば要求事項に明記されている設備や施設がそろっていない場合でも、本来その施設や設備が果たすはずの役割を認識して、別の手段でその役割を満たしていれば問題ないと考えます。言い換えれば、どんなに最新の設備を導入した工場であっても、その設備自体が食品安全のための効果がない、あるいは足りない状態であれば、それは意味のないものといわざるをえません。重要なことは、安全な食品や包装材料を次のフードチェーンに送り続けることなのです。

  1. 前提条件プログラム
  2. ハザード分析
  3. マネジメントシステム

次回は (1)前提条件プログラム に着目し、「古くなった工場建屋でいかにFSSC 22000を構築するのか?」や「機械設備の洗浄とその確認はどこまでやるべきなのか?」といった事例を交えながらギャップの抽出と取り組みについて考えてみたいと思います。


PJR 審査員 伊藤 毅(いとう たけし):静岡県出身、農学修士。

前職は食品メーカーに勤務し、食品製造、品質保証、技術開発部門を担当する。ISO 22000の認証取得に携わり、その後は食品安全チームリーダーとして、食品安全マネジメントシステムの実務も経験。PJRでは食品規格の審査、および審査プログラムを担当する。 ワインをこよなく愛し、ワインエキスパートの試験に向けてコルクを抜く日々。

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