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ISO 9001規格改訂×生成AIが導く次世代の品質マネジメント

公開日:2025年11月25日

ISO 9001は2026年9月に改訂版の発行が予定されています。社会の変化やデジタル化、生成AIの登場が品質マネジメントに新たな課題と可能性をもたらしています。本コラムでは、改訂の背景と今後の方向性、そしてAI活用による変革のヒントを解説します。

2015年以来となるISO 9001改訂の背景

品質マネジメントシステムに関する国際規格「ISO 9001」は、2026年9月に次期改訂版を発行予定です。2024年4~6月に実施された意見照会を経て、2024年9月に委員会草案(CD)が発行されました。2025年7月に国際規格案(DIS)が公表され、各国からのコメントや投票が行われます。その後、2026年4月に最終国際規格案(FDIS)が発行予定、最終承認を経て正式な改訂版が公表される見込みです。

今回の改訂は、2015年版の発行以来となります。この間、世界情勢や経済構造、企業を取り巻く環境は大きく変化しました。特に、グローバル化とデジタル化の進展や企業の社会的責任(CSR)ならびにサステナビリティへの関心の高まりといった潮流が、品質マネジメントの在り方にも大きな影響を及ぼしています。こうした社会変化をISO規格の要求事項に反映させることが改訂の大きな目的です。

ISO 9001:2025改訂において注目すべきテーマ

今回の改訂では、以下の観点が重視されています。

  • リスクベース思考のさらなる強化
  • サステナビリティとの連携
  • デジタル化・AI技術の活用を考慮した要求の見直し

これらは品質マネジメントを社会変化に適応させるためという位置づけです。特に、すでに追補版として発行された「気候変動に関連する課題」への取り組みは、企業の社会的責任を問う内容であり、これ以上の温暖化をゆるがせにできない状況であることを強く印象づけるものとなりました。

また、サステナビリティ重視の姿勢は、利害関係者や投資家にとって最も重要な指標であり、ミレニアル世代やZ世代の就職・購買心理にも大きな影響を及ぼすものとなっています。 一般的に規格改訂は「手間がかかる」などの意見も少なくありません。しかし、視点を変えれば変化に柔軟に対応し、組織の仕組みを見直す絶好の機会ともいえるでしょう。担当者の変更や増員、役割分担の再構築を通じて、組織全体でISO活動に参加する環境を作り、認証活動の有効性を高めることは、企業の信頼性向上にも直結します。

規格改訂と生成AIがもたらす新たな可能性

ISO9001:2025の規格改訂の動きと並行して、私たちは「品質マネジメントをどのようにアップデートするか」という問いに直面しています。近年、生成AIは単なる効率化ツールを超えて、データに基づく意思決定や新たな価値創出など、経営そのものに影響を与え始めています。ISOマネジメントシステムの運用においても、下記のような活用が期待できます。

  • 内部監査の効率化:生成AIによる質問票や指摘事項の自動作成
  • 文書管理の自動化:規格要求に基づく文書テンプレートの自動生成
  • リスク分析の支援:過去データやトレンドからのリスクシナリオ提示

これらは監査員や管理責任者の判断を置き換えるものではなく、判断を補助する「アシスタント」として位置づけられます。生成AIを適切に活用することで、規格改訂への対応力や業務効率を高め、より効果的な品質マネジメントが実現できるでしょう。

規格改定も生成AIも「恐れる」から「活かす」へ!

規格改訂や生成AI導入は「負担増」と捉えられがちですが、組織にとって変革や成長の絶好のチャンスでもあります。

規格改訂に適切に対応することは、企業が時代の変化に柔軟に適応し、顧客や社会からの信頼を維持・向上させることにつながります。

そして、生成AIは品質マネジメントシステムの運用を支援する強力なアシスタントとして活用できます。生成AI導入により、品質保証部門は「規格に対応する部署」から「変化を先取りし、経営に貢献する部署」へと進化できるでしょう。


ISO 9001:2015の改訂時には、多くの企業が新たな認証機関の選定を行い、その中で私たちPJRも多くのみなさまに選択肢のひとつとして加えていただきました。ISO 9001:2025においても、PJRでは最新動向や改訂ポイントをわかりやすく解説してまいります。加えて、生成AIの活用ヒントなど、現場で役立つ情報を順次発信していく予定です。みなさまの取り組みをより効果的に進めるための情報源として、ぜひご期待ください。

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