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第2回:日によって安全ではないことがあります?!― 「標準化」の重要性

プライベートで自分がISOに関する仕事をしていると言うと、「なんでも標準化をするものでしょう」という反応をされることがあります。中には、標準化に対して「いちいちマニュアルをつくる」「融通がきかない」と、ネガティブな印象を抱く人もいるようです。
そこで今回は「標準化」がいかに重要かについてお話をしましょう。

私が「標準化」と聞いて思い出すのが、地元にある中華料理屋です。残念ながらその店には「標準化」という概念が存在しません。料理の味が毎回違うのです。たとえば、付け合せのザーサイは日によって塩辛かったり、味がしなかったり、辛かったりします。もちろん、とてもおいしいザーサイを食べられることもあります。毎回ザーサイの味が違うということが、その店の特徴といえるかもしれません。
しかし一般的に市販のザーサイの味が食べるたびに異なるのは好ましいことではありません。一定の品質であること、つまりいつも同じ味であることが大切なのです。

これをこのコラムのテーマである食品安全に置き換えてみましょう。
「付け合せのザーサイは、日によって安全ではないことがあります。」
極端な言い方ですが、食品の安全を維持することが、重要かつ必須であることがイメージしていただけるのではないでしょうか。

もう少し食品安全ということを掘り下げてみましょう。ISO 22000の用語及び定義では、食品安全について以下のように定義しています。
「食品が意図した用途に従って調理され及び/又は食される場合に、消費者に危害をもたらさないという概念」
ISO 22000やFSSC 22000は、自分たちが加工し携わる食品が消費者に危害をもたらさないよう、組織をよりよく運営するために存在しています。そのISO 22000やFSSC 22000の要求事項の中で、いつでも一定の食品安全を維持するための手段の1つが「標準化」です。言うまでもなく、食品は温度管理や器具の洗浄などを適切に行わないと安全な製品をつくることはできません。そのために温度管理の設定値や器具の洗浄方法は、ここまでやれば食品の安全を維持することができるという条件を決める必要があります。この条件を明確にすることが「標準化」です。「標準化」した条件通りに作業することで、いつでも、だれでも安全な製品をつくることができるのです。

地元の中華料理屋でも、ザーサイの調味料の量、漬け込みのタイミング等を「標準化」すれば、いつも同じ味に近づけることができるはずです。もし実際に「標準化」されたら、その店の特徴が1つなくなったようで、少しさみしく感じるかもしれません。しかし毎回おいしいザーサイが食べられるとなれば、私はきっと今以上に足を運ぶことでしょう。

今回は、「標準化」の重要性についてお話をいたしました。次回は、「標準化」のためのマニュアル作成を通して、「標準化」の構築のポイントにについてお話しします。


PJR 審査員 伊藤 毅(いとう たけし):静岡県出身、農学修士。PJR審査員。

前職は食品メーカーに勤務し、食品製造、品質保証、技術開発部門を担当する。ISO 22000の認証取得に携わり、その後は食品安全チームリーダーとして、食品安全マネジメントシステムの実務も経験。PJRでは食品規格の審査、および審査プログラムを担当する。
より充実した食生活を満喫するため、今年はチーズ検定に挑戦予定。

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