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「言葉」の定義

みなさまが構築されたマネジメントシステムでは、当然のことながら「言葉」が用いられているわけですが、はたして組織内のすべての方がその「言葉」の定義を共通の認識の下で使用しているでしょうか?今回はこのテーマを取り上げてみたいと思います。

まずは一つ例題として、次の「言葉」(用語)の意味を考えてみてください。この「言葉」はみなさま方が構築されたマネジメントシステムの手順に使用されているものです。

① 「文書」とは?
② 「記録」とは?

どうでしょう。これらの意味を説明することはできますか?

それでは回答にうつりますが、ここでは日本語としての意味(つまり国語辞典の回答)を問うているわけではなく、あくまでも組織活動にリンクさせた上での意味とさせていただきます。

①「文書」…現時点から将来への時間軸において、活動の基準を文字として明示したもの。 具体的には「マニュアル」、「手順書」、「計画書」や「基準」(これには法規制などの外部基準も含まれる)が挙げられます。

②「記録」…「文書」に記載された基準に従って行われた活動結果を証拠として残したもの。

いかがでしたか?この回答からは、単に「言葉」の意味だけではなく、さまざまなことが読み取れます。

例えば、「記録」が「活動を行った証拠」であるとすれば、「何のため」、「誰のため」という目的をふまえてみたときに、その使用価値は「リスクが顕在化した際の適合性の証拠」になるといえます。

従って、みなさまが作成されている「記録」はその完全性をもって「記録」たり得るわけですから、日常から「記録」の作成やその保管管理においては細心の注意が必要となるわけです。この管理適切性を維持するための基準は、組織において何らかの形で「文書」として定められていると思います。

また、ISOを基準としたマネジメントシステムは、原則PDCAサイクルを展開することを求めているわけですが、「記録」の作成はこのPDCAサイクルの「D」に当たるわけです。そして「D」があったということは、その前に「P」が存在していると考えなければなりません。こう理解すれば、内部監査も効率よく実施できるのではないでしょうか。

このように、日常何気なく使用している「言葉」を改めて確認していくことによって、さらに精度の高い業務管理の適切性確認を行ったり、リスクは潜んでいないかなどを考えるきっかけにされることをお勧めします。

特に、営業部門のように外部とコミュニケーションをとる機会の多い方は、自身が使っている「言葉」の定義が聞き手の定義と合致しているか、たまには考えてみてはどうでしょう?

最後に、当社における「内部監査セミナー」は、単に内部監査の進め方を解説するだけではなく、各講師が自身の知識と多くの審査経験をふまえて具体例を提示していきます。その内容は当たり前に聞こえるものもあるかもしれませんが、気づかないままでいると潜在的なリスクとなることも想定されます。ぜひ、これを機会に弊社の内部監査セミナーへの参加もご検討ください。


PJR 審査員 伊藤 隆章(いとう・たかあき)

金融機関勤務を経て、2000年より、ペリージョンソン レジストラーにて審査業務に従事。自動車、鉄道関連をはじめとする製造業への審査は1,000件以上。セミナー研修の企画・開発に携わるとともに、自ら講師も務める。趣味は空手(県大会での優勝多数)と写真(愛機はニコン)。

※本コラムは、PJRニュースレター「WORLD STANDARDS Review」に掲載されたものの再掲です。

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