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事例4「EMS:忘れん坊の排水処理」

【シチュエーション】

某製造会社の審査において、特定施設に該当する工場排水処理施設を確認しています。
この施設からの放流水が著しい環境側面として特定されていることは「文書化した情報」に明確になっていますが、管理手順に定められている施設点検の結果を示す証拠が見つかりませんでした。

【指摘事項(問題点)】

工場排水処理施設の点検記録が残されていなかった。

速やかに問題を解決する必要性を痛感したあなたは、是正処置を実施して同じ問題が再発しないよう、問題解決法として根本原因分析のアプローチを採用することに決めました。

事例4に対する悪い根本分析の例

指摘事項(問題点)

工場排水処理施設の点検記録が残されていなかった。

修正

ただちに保全部門に連絡し、施設の点検を実施した。

根本原因

施設担当者のうっかりミス。

是正処置

施設担当者に点検実施を徹底するように注意した。

考察

どうしてこれが”悪い例”か考察してみましょう。

上記の例では、人的なミスを強調していて、システム上の問題点や仕組みの弱さに言及していません。人はうっかりすることやミスをすることもあります。失敗を重ねながら成長する生き物とも言えるでしょう。それをカバーするのがシステムであり、仕組みです。担当者のうっかりミスのような人的要因を強調すると、システムに存在する問題点や仕組みの弱さの改善につながりません。
さらに、是正処置として記述されている行為も単に担当者に注意を促したに過ぎず、再発を防止する処置となっていません。

事例4に対する良い根本分析の例

指摘事項(問題点)

工場排水処理施設の点検記録が残されていなかった。

修正

ただちに保全部門に連絡し、施設の点検を実施した。

根本原因

分析に用いた手法→関係部門との対策会議

排水処理施設の点検計画がなく、施設担当者の裁量に任せていたから。

是正処置

関連部門と調整し、ポカミスを防止するために新たに排水処理施設の点検計画を策定するとともに、点検実施部門である保全部門の計画書にも点検日を記載することで漏れを防止する対策を実施した。

考察

どうしてこれが”良い例”か考察してみましょう。

根本原因はシステム上の問題点に言及しており、 是正処置として記述されている行為も”修正”にとどまらず、再発を防ぐ是正処置になっています。
この例では、根本原因を掴むために「内部コミュニケーション」(=関係部門との対策会議)を用いていますが、これも根本原因を特定する上で有効なツールの1つといえます。

事例から学ぶ:修正と是正処置

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